鍼灸治療が不妊に効果があるメカニズムとして、卵巣や子宮の血流改善作用が関わっていると考えられます。
卵巣には、実に豊富な血管網が存在し、豊富な血管からの血液供給によって養われています。
卵巣血流の調節は、排卵やホルモン分泌機能を正常に維持するのに重要と考えられます。
卵巣血流は、自律神経のうちの交感神経が調節しています。
この卵巣を支配する交感神経の働きが、何らかの原因で強くなりすぎると、卵巣血流は一気にゼロに近いくらいにまで減少してしまいます。
ストレスなどで交感神経の働きが高まりすぎてしまうと、このように、卵巣血流は極端に減少しますので、排卵やホルモン分泌にも不具合が生じることが予想されます。
鍼灸治療には、血流改善作用がありますが、そのメカニズムは、高まりすぎた交感神経の活動を下げてやることにより、その支配下の血管を拡げ、血流を改善させます。
鍼灸刺激が、自律神経系に影響を与え、卵巣を支配する交感神経の活動を下げることにより、卵巣血流を改善させ、排卵やホルモン分泌を正常化し、不妊をはじめ、女性特有の諸問題が改善されるのです。