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タグ 身体中が痛い(線維筋痛症)

線維筋痛症の治療

線維筋痛症とは

線維筋痛症とは、体の広い範囲にわたって、原因不明の痛みやこわばりが生じる病気です。

疲労感や、睡眠障害・頭重感・胃腸の不具合など、様々な症状を伴う事が多くありますが、一般的な血液検査や画像検査では病変が見つかりません。

日本における線維筋痛症の推定患者数は200万人と言われていますが、病気の認知度が低いために、正しく診断されていない方も多いと考えられます。
最近は、以前に比べると認知度が上がってきたものの、別の病気と診断されたり、検査で異常がないので病気ではないと診断されたり、精神的なものと診断されることも少なくないようです。

線維筋痛症の症状

体の広い範囲にわたって出る、慢性的な痛み(関節痛・筋肉痛・頭痛・こわばり)が主症状です。病気が進行するほど、強い痛みを感じるようになり、日常生活に困難をきたすこともめずらしくありません。

痛みの他にも、以下のような様々な不快な症状を伴う事があります。

  • 疲労感
  • 睡眠障害
  • 胃腸症状(便秘・下痢)
  • 不安感、うつ症状
  • 頭重感
  • しびれ
  • めまい
  • 耳鳴り

など

痛みを感じるのはなぜ?

線維筋痛症の痛みは、中枢感作が影響していると考えられています。
中枢感作とは、脳に記憶されている「痛み」の感覚が再現されやすくなっている状態です。
線維筋痛症になると、何らかの刺激をきっかけに、脳が記憶していた痛みの感覚が再現されてしまいます。

また、脳への痛みの情報伝達をする経路には、痛み感覚を生じさせるアクセル系の経路(興奮経路)と、痛み情報の伝達を抑制するブレーキ系の経路(下行性疼痛抑制経路)があります。

これらの経路に異常がおこり、アクセル系の経路が働き過ぎたり、ブレーキ系の経路の働きが低下したりするため、線維筋痛症は、わずかな刺激で強い痛みを感じやすくなってしまっていると考えられます。

線維筋痛症かもしれないと思ったら

線維筋痛症は、適切な医学的治療が欠かせません。
線維筋痛症について詳しい医師に診てもらうことが一番です。

日本線維筋痛症学会のホームページの『診療ネットワーク参加医療機関マップ』に、線維筋痛症の診療ができる医療機関が掲載されています。

線維筋痛症と鍼灸治療

日本線維筋痛症学会による線維筋痛量診療ガイドラインでは、鍼灸治療の推奨は、B(おこなうようにすすめられる)とされています。

鍼灸治療には、自律神経を調整する働きがあります。
痛みが続くと、自律神経(交感神経と副交感神経)の働きが乱れがちになり、様々な不快な症状がひきおこされます。
鍼灸治療で自律神経のバランスを整えることにより、これらの不快な症状を出しにくくしたり、軽減させる効果があります。

また、鍼灸治療は、痛みの改善という点においても期待ができます。
ある調査では、鍼灸治療を試みた線維筋痛症の患者さんのうち6割の方が効果を感じたという結果が出ています。

これは、鍼灸治療は、痛みの伝達を行う中枢神経に働きかける作用があるためと考えられます。中枢神経にアプローチすることにより、痛みの伝達経路を正常化させて、痛みを感じやすくなってしまっている脳に対して、過剰に痛みを感じる脳の誤作動を防ぐように働きかけます。

OKはり灸マッサージでの線維筋痛症の鍼治療は、ごく細い鍼(髪の毛よりも細い鍼)で浅く刺す方法か、もしくは、接触鍼(せっしょくしん)といって、皮膚に触れるだけの刺さない鍼で行います。

深く刺すことなく、痛みを感じない軽い刺激で、全身の調整を行います。

線維筋痛症とマッサージ

線維筋痛症に対しては、マッサージも効果的です。

OKはり灸マッサージでは、症状にあわせて、最初は軽い刺激からスタートして、お体の調子や痛みの感じ方などの様子を見ながら、その都度、適度な刺激でマッサージをさせていただきます。

基本的には、筋膜への刺激を意識した、優しい力でのマッサージスタイルになります。筋膜をゆるめていくことで、副交感神経の働きを高めて体をリラックスさせるとともに、痛みを感じさせやすくする交感神経の働きを抑える狙いがあります。

医療機関と鍼灸マッサージの併用

線維筋痛症の治療は、医療機関での投薬治療が基本となりますので、病院に通院しながら鍼灸マッサージも併用する形になります。もし、鍼灸マッサージの施術を受けて、楽になった場合でも、お薬は勝手にやめずに、医師の指示に従うようにしましょう。

また、1回の施術であまり効果が感じられなくても、何度が続けていくうちに少しずつ改善していくということは、少なくありません。
1回だけであきらめず、週に1、2回の治療を、数回続けることをお勧めします。

痛みを感じている期間が長ければ長いほど、脳が痛みを記憶してしいまい、中枢感作(脳が記憶している痛みが再現されること)によって、より痛みを感じやすくなってしまいますので、少しでも痛みが楽な時間を作っていくことが、線維筋痛症の症状の改善につながります。

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