全身の連動性

糖尿病と鍼灸治療(1)

糖尿病は、血液中のブドウ糖(血糖)の濃度が常に高い状態になる病気です。

ブドウ糖は食事から体内に取り込まれ、血流によって全身に運ばれます。

ブドウ糖は筋肉などでエネルギー源として使われて、余分なブドウ糖は肝臓などに貯蔵されます。

このとき、すい臓から分泌される「インスリン」というホルモンが全身に作用しています。

ブドウ糖は、インスリンが作用することによって筋肉や肝臓に取り込まれますが、糖尿病があるとインスリンが十分に作用しないので、ブドウ糖は筋肉や肝臓に取り込まれません。

そのため、血液中のブドウ糖の量が常に多くなってしまいます。

インスリンが十分に作用しなくなる主な原因は二つあります。

一つは、すい臓から分泌されるインスリンの量が少なくなります。

日本人には体質的にインスリンの分泌が弱い傾向にあります。

もう一つは、「インスリン抵抗性」といって、インスリンは分泌されていても、筋肉や肝臓で十分に作用しなくなることをいいます。

原因は内臓脂肪型肥満で、内臓脂肪からインスリンの働きを悪くする物質が多く分泌されるためです。

糖尿病は、特に初期には自覚症状に乏しい病気ですが、怖いのは、全身の血管が傷つくことにより起こる合併症です。

細い血管に起こる合併症に、「網膜症」「腎症」「神経障害」のいわゆる三大合併症があります。

「網膜症」が進めば、失明。

「腎症」が進めば、腎不全、透析。

「神経障害」が足に起これば、足先のしびれや痛み、進めば、下肢切断。

太い血管に起こる合併症に、「脳梗塞」「心筋梗塞」。

糖尿病は動脈硬化の原因となります。

糖尿病は、主に血液検査で、「空腹時血糖値」や「随時血糖値」「HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)」などを調べて診断します。

空腹時血糖値は、126㎎/dL以上が「糖尿病型」、110mg/dL以上が「境界型」、いわゆる「糖尿病予備軍」です。

随時血糖値は200㎎/dL以上だと「糖尿病型」、HbA1cは6.5%以上が「糖尿病型」です。

治療で目指す目標値には、HbA1cが用いられます。

HbA1cとは、血液中のブドウ糖と赤血球の成分である「ヘモグロビン」というたんぱく質が結びついたもので、過去1~2か月の血糖値の平均を反映し、治療の成果や血糖コントロールの状態を知る指標として使われています。

従来は、年齢や症状にかかわらず同じ目標値を設定していましたが、血糖コントロールの目標は、個々の患者さんで個別に設定すべき、という考えのもとに、日本糖尿病学会は2013年6月1日より、新しくコントロール目標値を設定しなおしました。

血糖正常化を目指す目標値として、6.0未満。

合併症予防のための目標値として、7.0未満。

治療強化が困難な際の目標値として、8.0未満。

以上のように、非常にシンプルに、三段階に整理し、一人一人の患者さんの年齢や糖尿病を発症してからの期間、活動量、などに応じて、個別に目標値を設定するように変わりました。

この中でも、7.0未満で細い血管の合併症が抑制できることがわかっていますので、7.0未満が目標値の基準となります。

岡山県津山市下高倉西824

0868-29-3909

 

当院の公式ホームページはこちら↓

  • この記事を書いた人

院長 大門信一郎

OKはり灸マッサージ院長。 はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師の国家資格有。 体のゆがみと自律神経を整える鍼灸師。 鍼灸治療の他、痛くない整体や、心地よい力加減のマッサージも好評です。 なかなか良くならない症状にお悩みの方の力になれれば幸いです。 【OKはり灸マッサージ公式サイト】 岡山県津山市下高倉西824 TEL.0868-29-3909 休業日◇月・金・祝日

-全身の連動性
-

© 2024 OKはり灸マッサージ公式ブログ Powered by AFFINGER5