月経困難症は、月経期間中に、月経に随伴して起こる病的症状で、下腹痛、腰痛、腹部膨満感、吐き気、頭痛、疲労・脱力感、食欲不振、など、種々の症状があり、これらの症状が強く、社会生活を営むことが不可能と考える時に診断されます。
子宮内膜症や、子宮筋腫などの、器質的疾患を伴わない、機能性月経困難症が、70~80%と多く、その原因として、子宮筋の過度の収縮と、それに伴う血管攣縮、虚血による低酸素状態、および、末梢神経の刺激、が、考えらています。
ホルモンによる、子宮調節は、よく知られていますが、子宮は、神経的にも調節されていて、卵巣や子宮に分布する自律神経が、卵巣や子宮の血流やホルモン分泌を調節していることが、わかっています。
鍼灸治療は、子宮筋収縮や血管攣縮、虚血による低酸素状態に対して、直接的に、自律神経を介した子宮内の血流改善による疼痛緩和を達成することが期待できます。
また、自律神経や、視床下部ー下垂体系を介した、卵巣ホルモン分泌調整、交感神経の緊張緩和による、心身のストレス軽減も、期待できます。