コア(体幹)トレーニングの重要性が、一般にも知れわたり、大変ポピュラーなものになりました。
しかし、コアトレといえば、腹筋と背筋のトレーニングのみになりがちなのではないでしょうか。
股関節周辺筋のトレーニングこそが、コアトレの基本である、という考え方があります。
股関節周辺の筋バランスの悪さや機能低下が骨盤のゆがみを生み、結果的に、脊柱のゆがみや障害の原因になる可能性があります。
このように、股関節の機能低下は、体幹にも影響を与えると考えられます。
肩や肘の痛みの原因をたどっていくと、股関節の動きが悪く、下半身のエネルギーを体幹から上体へとうまく伝えられず、不足するエネルギーを上半身で補おうとして、肩や肘の負担が大きくなり、障害を招いているケースもあります。
股関節は、屈曲、伸展、外転、内転、外旋、内旋、など、多くの動きをしますが、これらの動きの際に働く、主働筋と拮抗筋のバランスが重要になります。
このバランスが偏ると、主働筋と拮抗筋が同時に収縮してしまう、「共縮」という状態に陥ってしまい、関節の動きが制限され、柔軟性が低下します。
それにより、動きの連動性も低下してしまい、疲れやすい体になってしまうといわれています。
股関節周辺筋として、特に重要なのが、中殿筋と内転筋です。
これらの筋は、骨盤の左右の傾きに関与していて、これらの筋バランスが悪くなると、骨盤がゆがみ、その結果、体にゆがみが生じ、体の軸がぶれてしまい、様々な障害を引き起こす可能性があります。
股関節周辺筋の筋機能をいい状態に保ち、股関節の柔軟性と安定性を維持し、その結果、骨盤バランスもいい状態に保たれるように、トレーニングすることが、コアトレーニングの基本となるのです。