なぜ鍼灸治療は効くのでしょうか?
はり治療やお灸は、身体の外側から物理的および化学的刺激を加えて、つらい症状を改善しようとする治療法です。
現代医学の主な治療法である薬を服用する方法とは、かなり異なったアプローチ方法です。
では、「なぜ、鍼灸治療によって、つらい症状が改善するのか?」と、不思議に思う方も多いことでしょう。
鍼灸の3つの効果
鍼灸でできること
- 自律神経を整える
- 筋肉・筋膜をゆるめて血行をよくする
- 体のゆがみを整える
自律神経とは
自律神経は、自分の意思とは関係なく働く神経です。
胃腸をはじめとする内臓を動かしたり、息をしたり、人間が生きていく上でとても大切で、自律神経なくてしては、1秒たりとも生きていくことはできません。
そして、自律神経には、交感神経と副交感神経があります。
人間が健康に生活していくためには、このふたつの自律神経が、バランスよく機能していることが必要です。
身体のこり・痛みなどの筋骨格系の症状(身体の外側の症状)から、内臓機能の不調や病気、さらには、心の不調まで、人間のあらゆる不調に、自律神経機能は関係しています。
鍼灸治療は、自律神経バランスを調整し、できるだけ健全に自律神経が働くように手助けをします。
これにより、様々な心身の不調が改善されるのです。
お灸の自律神経調整効果
お灸は、交感神経の働きを高めてくれます。
- 体がだるく動くのが面倒
- 体がシャキッとしない
- やる気が起こらない
- 頭がボーっとして考えがまとまらない
このような時は、交換神経がしっかり機能していない状態です。
お灸(特に、直接灸)をすると、交感神経が適度に高まり、体がしゃきっとして、活力が出ます。
さらに、温灸というお灸は、交感神経だけでなく、副交感神経の機能も上げる優れた効果があります。
鍼(はり)の自律神経調整効果
鍼(はり)は、副交感神経を高める効果に優れています
副交感神経がうまく働かず、交感神経が異常に高まっていると、体がこりや痛みを感じやすい状態になってしまいがちです。
また、胃腸の不調や不眠などを起こしやすい状態になりがちになったり、ストレスを感じやすくなるといったこともあります。
このような症状の方には、鍼治療によって副交感神経を高めると、楽になるケースが多いです。
筋肉・筋膜をゆるめる鍼灸の作用
はり灸には、かたくなって血行不良になった筋肉や筋膜の血行をよくし、柔軟性を出す効果があります。
こりかたまった筋肉が柔らかくなることで、からだの機能性を高めることができます。
体のバランスも整える
はり灸をうまく使うと、からだのバランスを整えることもできます。
日頃の癖や、仕事中の態勢などで、体にゆがみが生じたり、どこか一部分に負荷がかかり、痛みやしびれ、その他の不具合がでることがあります。
負荷がかかって固くなってしまった筋肉や組織をはり灸でゆるめて、負荷を分散させて、からだのバランスを整えると、症状が楽になるケースは非常に多くあります。
自律神経のことや、鍼灸治療のことについては、当院のブログでも、随時、ご紹介していきますので、そちらもご覧ください。