月経不順に対する鍼灸治療
月経不順の原因は多く、色々な病気が原因になっていることがあるので、まずは婦人科で、原因をつきとめることが大切です。
しかし、病気の他にも、極端な体重減少や、日常的な激しい運動、心理的ストレスなどが原因で、月経が止まってしまったり、月経不順になることがあります。
病気が原因のものよりもこういった原因の方が多いと言われています。
鍼灸治療では、各器官に特に異常はなく、病気が原因でない月経不順が治療適応となります。
鍼灸が月経不順によい理由
鍼灸治療は、肌(体表)への刺激によって、体性神経(感覚神経)を通じて、中枢(脳・脊髄)へ伝えられ、自律神経を介した反応として、内臓機能の調整します。
この体表を物理的・化学的に刺激することにより、自律神経を介して一連の流れを「体性-自律神経反射」と言います。
鍼灸治療が内科的症状にも効果があるのは、この「体性-自律神経反射」のメカニズムを利用しているからです。
月経不順の場合は、お体に鍼や灸の施術をすることにより、その刺激によって、子宮や卵巣の血流をアップさせます。
子宮血流・卵巣血流が増加して子宮機能と卵巣機能がアップすると、女性ホルモン分泌が改善・正常化します。
また、中枢(脳)へ伝えられた刺激により、脳血流も改善することがわかっていますので、それにより、視床下部ー下垂体系の機能アップも関係していると考えられます。
月経不順の鍼灸治療のペース
月経異常は、体全体のコンディションが悪いままでは改善しにくいものです。
定期的(1,2週間に1回くらい)な鍼灸治療を継続し、身体全体の状態が良くなると、それにつれて、月経異常だけでなく、月経困難症や、月経前症候群(PMS)も、かなり軽減することができます。